プロ意識

 短くお話。
 プロは素人の意見なんか聞かなくて良い。
 100の意見があれば、そのうちに1をヒントにさえしておけば、それだけでも素人への還元だ。
 伺うばかりの物作りより、もっと理想を追い求めろ。
 何をしなければいけないかは、理想を追い求めていれば、見えてくるものは自ずと絞られる。
 

 素人の意見を聞くときは、それは企業人として素人をだますときだけで十分だ。




 マーケティングなんて言うのは、リードタイムの短い物作りにこそ有効なものの、計画から発売まで何年もかかるような場合にはまるで意味のない、100分の1も参考にならないもの。
 刹那的な流行に流される消費者の意見なんて、なんの参考にもなりません。
 やれ「このスイッチが使いにくい」だの、「ここが不便」だの、そういうのは作ってるうちから分かってることで、反映された頃にはコストの問題が片付いているからというだけで、別段消費者の意見をフィードバックしたものではありません。そりゃ、作ってる側だって人間なんだから、気付かないはずもないですよね。
 「お客様のご意見をフィードバックしました」なんていうのは、そう言った方が市場の受けが良いからで、嘘も方便ってやつです。
 本当は、設計する人などの理想が実を結ぶ結果になっているだけですね。
 だから、常にプロは理想を追わなければならないんです。
 素人をだますための物作りなんて言うのは、ネームバリューがあれば簡単。そこに素人の意見を取り入れたような無様な商品ができあがっても、素人は評するわけですから。



 素人(消費者)は馬鹿で良い。
 さらに馬鹿にならないように、プロが牽引すれば良いだけのことだから。
 でも覚えておけ。消費者をもっと馬鹿にして、操作しやすくするのも戦略のプロだ。